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鈴木 富男; 新藤 雅美
JAERI-Tech 96-051, 18 Pages, 1996/11
高温ガス炉技術の高度化の一環として開発を進めている、高性能高温構造材料であるNi-Cr-W系超耐熱合金の強酸化性雰囲気中での酸化特性データを取得することを目的として、提案組成の工業規模溶製材及び本合金の骨格組成決定に用いたCr/W比の異なる5種類のNi-Cr-W系実験合金についての大気中での高温酸化試験を、ハステロイXRを比較材として実施し、以下の結論を得た。(1)提案組成の工業規模溶製材であるNi-Cr-W系超耐熱合金の大気中での耐酸化性はハステロイXRより優れている。(2)提案組成の工業規模溶製材であるNi-Cr-W系超耐熱合金のCr含有量19%は大気中におiても最も安定した酸化特性を示す含有量である。
辻 宏和; 清水 哲也*; 磯部 晋*; 中島 甫
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(2), p.122 - 129, 1994/02
被引用回数:3 パーセンタイル:35.79(Nuclear Science & Technology)将来の,原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取り組んできた。その第1段階では、Ni-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであることを見出した。この最適なNi-Cr-W組成比を有する合金の熱間加工性に及ぼすSi,Mn,Y,B,Ti等の微量添加の影響を系統的に調べるために、21種類のNi-18~19mass%Cr-20~22mass%W合金を供試材料として、グリーブル試験を行った。Si及びMnの添加は、熱間加工性には非常に有害であった。Yの添加は、熱間加工性の向上に非常に有効であった。B及びTiの添加も、熱間加工性の向上に有効であった。C含有量の増加、Nbの添加、Feの添加はいずれもほとんど利点は無かった。また、重回帰分析によるNi-Cr-W系超耐熱合金の熱間加工性の予測が可能であった。
辻 宏和; 中島 甫; 近藤 達男
Proc. of the 5th Conf. on Materials for Advanced Power Engineering,Part I, 0, p.939 - 948, 1994/00
原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温部構造用材料としてNi-Cr-W系超耐熱合金の開発を進めてきた。開発プログラムの第1段階では基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであるとの結論を得た。第2段階では、最適Ni-Cr-W組成比合金の熱間加工性、引張特性、時効特性、大気中クリープ破断特性及びHTGRヘリウム中耐食性に及ぼす微量添加元素の効果を系統的に調べ、得られた特性と成分元素量の間の関係に関する重回帰分析を行い、最適化学組成を提案した。開発プログラムは、現在3段階にあり、最適化学組成を有する合金を工業規模(2000kg)で溶製し、原子炉の熱交換器用伝熱管を想定した継ぎ目無し管の試作を行った。その結果、ここで開発中の新合金は、熱間加工性、冷間加工性ともに継ぎ目無し管の製造が可能な特性を有していることが確認された。
辻 宏和; 斉藤 貞一郎*; 高津 玉男*; 中島 甫
JAERI-M 93-163, 42 Pages, 1993/09
将来の原子炉出口冷却材温度1000C級高温ガス炉の高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取組み、最適化学組成合金を工業規模(2トン)で溶製した。その特性評価試験の一環として、溶接性を調べ、以下の結果を得た。(1)固溶化熱処理材の溶接性は概ね良好であり、実用上際だって不都合という点は無い。(2)再固溶化熱処理材の溶接性は固溶化熱処理材よりもやや劣り、溶接継手の型曲げ試験では、判定基準を満足しない。本報で評価した合金とほぼ同一化学組成の合金の溶接性が著しく悪かったという前報の結果と総合的に判断すると、Ni-Cr-W系合金の溶接性は必ずしも良くないことから、この合金の溶接施工を安定して行えるようにするためには、微量成分や熱処理条件の許容範囲を明確にすることが重要であり、高温溶接構造物としての信頼性を確保できるように、技術開発を進めていく必要がある。
辻 宏和; 斉藤 貞一郎*; 高津 玉男*; 中島 甫
JAERI-M 93-150, 87 Pages, 1993/07
将来の原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取り組み、既に最適化学組成の提案を行った。この新合金を構造材料として実用化するために残された課題の1つに、高温溶接構造物としての性能の確保が挙げられる。そこで、この新合金の溶接性に関する検討を行い、以下の結果を得た。(1)供試材料としたNi-18~19mass%Cr-20~22mass%W合金は、いずれも溶接割れ感受性が著しく高い。(2)Tiを添加した合金における方が、Ti無添加の合金よりも溶接割れ感受性は低い。(3)熱処理条件の相違がこの系の合金の溶接割れ感受性に大きな影響を及ぼす。本研究の結果、この合金の溶接施工に、母材と同一化学組成の溶加材を用いることはできないことが分かったことから、今後、微量成分の調整等を行い、この合金の溶接用溶加材の開発に取り組む予定である。
辻 宏和; 中島 甫; 近藤 達男
JAERI-M 92-215, p.584 - 598, 1993/01
原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温部構造用材料としてNi-Cr-W系超耐熱合金の開発を進めてきた。開発プログラムの第1段階では、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであるとの結論を得た。第2段階では、最適Ni-Cr-W組成比合金の熱間加工性、引張特性、時効特性、大気中クリープ破断特性及びHTGRヘリウム中耐食性に及ぼす微量添加元素の効果を系統的に調べ、最適化学組成を提案した。開発プログラムは、現在第3段階にあり、最適化学組成を有する合金を工業規模(2000kg)で溶製し、原子炉の熱交換器用伝熱管を想定した継ぎ目無し管の試作を行った。その結果、ここで開発中の新合金は、熱間加工性、冷間加工性ともに継ぎ目無し管の製造が可能な特性を有していることが確認された。引き続いて、本合金の溶接用溶加材の開発に取り組む予定である。
武藤 康; 中島 甫; 衛藤 基邦
Nucl. Eng. Des., 144, p.305 - 315, 1993/00
被引用回数:7 パーセンタイル:60.43(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉の原子炉圧力容器及び熱交換器用に開発した21/4Cr1Mo鋼及びハステロイXRの材料試験及び構造試験結果についてまとめると共にNiCrW合金などの最近の研究成果について紹介する。21/4Cr1Mo鋼については主として照射の強度への影響について、ハステロイXRについては、開発の経緯、溶接材料の開発、クリープ構成式及びクリープ疲労評価方法等について述べる。将来の高温ガス炉用超耐熱合金であるNiCrW合金については、開発の経過及び最適合金組成等について述べる。
辻 宏和; 中島 甫; 近藤 達男
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering Joint Conf., 1993,Vol. 2, p.167 - 172, 1993/00
原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温部構造用材料としてNi-Cr-W系超耐熱合金の開発を進めてきた。開発プログラムの第1段階では、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであるとの結論を得た。第2段階では、最適Ni-Cr-W組成比合金の熱間加工性、引張特性、時効特性、大気中クリープ破断特性及びHTGRヘリウム中耐食性に及ぼす微量添加元素の効果を系統的に調べ、得られた特性と成分元素量の間の関係に関する重回帰分析を行い、最適化学組成を提案した。開発プログラムは、現在第3段階にあり、最適化学組成を有する合金を工業規模(2000kg)で溶製し、原子炉の熱交換器用伝熱管を想定した継ぎ目無し管の試作を行った。その結果、ここで開発中の新合金は、熱間加工性、冷間加工性ともに継ぎ目無し管の製造が可能な特性を有していることが確認された。
辻 宏和; 中島 甫; 近藤 達男
Proc. of the Int. Conf. on Computer-assisted Materials Design and Process Simulation, p.398 - 403, 1993/00
原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温部構造用材料としてNi-Cr-W系超耐熱合金の開発を進めてきた。開発プログラムの第1段階では、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであるとの結論を得た。第2段階では、最適Ni-Cr-W組成比合金の熱間加工性、引張特性、時効特性、大気中クリープ破断特性及びHTGRヘリウム中耐食性に及ぼす微量添加元素の効果を系統的に調べ、得られた特性と成分元素量の間の関係に関する重回帰分析を行った。その結果、重回帰分析による特性予測が可能であることが分かり、重回帰分析結果に基づいて化学組成の最適化を図ることができた。
辻 宏和; 大橋 雅夫*; 竹村 誠洋*; 中島 甫
JAERI-M 92-148, 132 Pages, 1992/10
将来の原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取り組み、既に最適と考えられる化学組成の提案を行った。この新合金の開発目標の一つに原子炉の熱交換器用伝熱管(外径32mm、厚さ4~5mm程度で長さが7m以上)の加工が可能であることが挙げられている。そこで、最適な化学組成と考えられるNi-Cr-W合金を工業規模(2000kg)で溶製し、熱交換器用伝熱管を想定した継ぎ目無し管の試作を行い、この合金の加工性の確認を行うとともに継ぎ目無し管の最適固溶化熱処理条件を調査した。その結果、以下のことが分かった。(1)ここで開発中のNi-Cr-W系の新合金は、熱間加工性、冷間加工性ともに継ぎ目無し管の製造が可能な特性を有している。(2)固溶化熱処理温度を1230~1240Cとすると、結晶粒度ASTMNo.2~3が得られている。
高温ガス炉研究委員会; 超耐熱合金専門部会
JAERI-M 92-137, 70 Pages, 1992/09
原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉高温部構造用超耐熱合金の開発が進められている。この計画は、高温強度、耐食性、製造性、溶接性などの高温部構造材料に要求される全ての面でよく均衡のとれた新しい合金を開発することを目的としている。昭和61年度までに当部会が実施した第1次から第3次までの合金試作とその特性評価試験の結果は、既に中間報告書としてまとめられている。本報告書は、それに続く第2報として、昭和62年度から平成2年度までに当部会が実施した第4次から第6次までの合金試作とその特性評価試験の結果をまとめたものである。得られた知見を総合的に判断して、Ni-18~19mass%Cr-20~22mass%Wを基本組成とし、これに微量の他の元素を添加したNi-18~19mass%Cr-20~22mass%W-0.03mass%C-0.08mass%Ti-0.02~0.05mass%Zr-0.002~0.007mass%Y-0.0035~0.006mass%Bが最適化学組成であるとの結論を得た。
辻 宏和; 鈴木 富男; 塚田 隆; 中島 甫
JAERI-M 91-136, 42 Pages, 1991/09
将来の原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取り組んできた。その第1段階においては、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18-19mass%Cr-20~22mass%Wであることを見出した。この最適なNi-Cr-W組成比を有する合金の、HTGRヘリウム中における腐食挙動に及ぼすMn,Si,B,Y及びTiの添加効果を系統的に調べ、以下の結論を得た。(1)本研究の対象とした合金の耐食性は、ハステロイXRと同等以上でり、従来のNi-Cr-W系合金より優れていた。(2)Mn及びSiの添加の有効性を確認することはできなかった。(3)B及びYの添加は、耐食性の向上に有効であった。(4)Tiの添加は、耐食性にとっては有害であった。但し、0.08mass%程度のTi添加は、耐食性を害するものではなかった。(5)従来のNi-Cr-W系合金よりも耐食性が十分に改善された合金の化学組成を見つけることができた。
辻 宏和; 清水 哲也*; 磯部 晋*; 中島 甫
JAERI-M 91-116, 21 Pages, 1991/08
原研では、将来の原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温構造用部材としてNi-Cr-W系の新合金の開発に取組んできた。その第一段階においては、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであることを見出した。この新合金を実用化するためには、工業規模で安定した品質での供給が行える必要がある。こうした観点から、熱間加工性は重要な指標の一つと考えられる。そこで、この最適なNi-Cr-W組成比を有する合金の熱間加工性に及ぼすMn,Si,B,Y,Ti等の微量添加の影響を系統的に調べ、以下の結果を得た。(1)Mn及びSiの添加は、熱間加工性という観点からは非常に有害であった。(2)B,Y,Tiの添加は、熱間加工性の向上に有効であった。とりわけ、Yの添加効果が大きかった。(3)C量増加、Nb添加、Fe添加はいずれも熱間加工性という観点からはほとんど利点は無かった。
近藤 達男
日本鉄鋼協会西山記念技術講座, p.247 - 276, 1990/00
高温ガス炉の歴史、特徴、炉型概念、開発状況を概観したのち、プロセス加熱炉に焦点をあて、そのための材料の標題及び炉工学的な問題点、研究開発方法論、素材の開発と改良について総説した。さらに各論においては、高温工学試験研究炉のために行われた材料開発研究の結果として実用に到ったハステロイXRについてその改良原理と長期耐久性にかかわる研究結果を関連技術を含めて紹介した。また、耐圧部構造材料として改良と試験の対象となった21/4Cr-1Mo鋼についてもその経年劣化、健全性などについての試験研究の成果を要約し、最後に将来の高度化に向けた材料開発の代表的なものとしてNi-Cr-W系超耐熱合金の開発戦略として代様創出までの経過を述べた。
辻 宏和; 中島 甫
JAERI-M 89-108, 16 Pages, 1989/08
2ヒートのNi-Cr-W系超耐熱合金-即ち、SSS113M及びその合金にMn、Siを添加し、Ti添加量を減らした合金-を供試材料として、HTGRヘリウム中で高温疲労試験を行った。供試材料には、溶体化処理及び-W相の粒界への優先析出処理という2種類の熱処理を施した。この試験でNi-Cr-W系超耐熱合金のHTGRヘリウム中における高温疲労特性の改良法について検討した。得られた結果は以下の通りである。(1)結晶粒界に-W相を優先的に析出させる2段熱処理法は、結晶粒界における破壊抵抗をある程度高める効果があった。その効果はMn及びSiを添加した合金よりもそれらを添加していない合金における方が大きかった。(2)HTGRヘリウム中における高温疲労特性の面で、Mn及びSiを添加する利点は無かった。
高温ガス炉研究委員会
JAERI-M 88-270, 62 Pages, 1989/01
冷却材出口温度1000C級の高温ガス炉高温部構造用超耐熱合金の開発が進められている。この計画は、高温強度、耐食性、製造性、溶接性などの合金に要求される全ての面で良く均衡の取れた新しい合金を開発することを目的としている。本中間報告書は、昭和61年度までに本部会が実施した第3次までの試作合金の特性評価試験の結果をまとめたものである。
辻 宏和; 近藤 達男
JAERI-M 84-166, 32 Pages, 1984/09
工業技術院直接製鉄技術開発計画で選定された高温ガス炉中間熱交換器伝熱管用Ni-Cr-W系超耐熱合金について、VHTR近似ヘリウム中における900Cでの高温低サイクル疲労試験を行った。選定されたニ合金、KSNおよびSSS113MAについて得られた知見は次の通りである。(1)SSS113MAの方がKSNよりも不純ヘリウム中高温低サイクル疲労特性はすぐれており、疲労寿命で50%程度長かった。(2)VHTR近似ヘリウム中での高温低サイクル疲労寿命は、本研究の試験条件下では両合金ともに、超高真空中における場合に比べて、10~20%程度にまで減少した。(3)破壊モードは、いずれの合金においても、ほぼ100%粒界破壊であった。(4)KSNおよびSSS113MAはともに、本試験を行った温度領域では、既存の他の耐熱合金と比較して、高温低サイクル疲労特性が明らかに低く、構造部材として改良の余地があるものと判断される。